凹凸のあるテラゾーを再研磨してフラットに
お客様から「テラゾーの床の凹凸で困っている」
とのご相談をいただきました。
下の写真をご覧ください。

本題に入る前に、人造大理石「テラゾー」に
ついて説明します。テラゾーは天然大理石や
類似する石材の砕石を白色セメントや樹脂など
に混ぜて固め、磨いて大理石のように仕上げた
半人工素材です。

仕上げに研磨作業が必要なため、石材部分は
光沢が出ますが、セメント部分はツヤが出にくい
ため半艶仕上げのような見え方になるケースが
多くなります。

よく「人工大理石」と混同される方が多いです
が、全く違う素材です。

人工大理石はアクリル樹脂やポリエステル樹脂を
主成分とした人工素材なので、天然石材の成分は
入っていません。
最近の人工大理石には、より天然石に近づけよう
と石灰の粉や石の粉などを混ぜてつくるキッチン
天板もありますが、石の粉が入っているから人造
大理石なのかというとそれは違います。石の粉は
天然石の素材感は完全に失われているので、
やはり人工大理石のカテゴリーになります。

本題に戻りますが、某施設の床材にテラゾーが
使用されており、その上に大きなモニュメント
が置かれていました。

内装工事に入った際にモニュメントをどかした
ところ、画像のように継ぎ目部分が盛り上がった
状態になっていたとのことでした。

恐らくですが、竣工当時にモニュメントが
置かれることがわかっていたので、テラゾーを
研磨してフラットにする作業を怠ったのかも
しれませんね(笑)。

***

テラゾーは大理石と同じメンテナンス方法で
施工が可能なので、再研磨で対応しました。

まず、最初から研磨すると、厚みを削るのに
かなり時間がかかってしまうので、ノミと
小さなグラインダーで可能な限りフラットに
近い状態まで削ります。


ざらつきや凹凸は残りますので、しっかりと
平滑面にさせるため、マイクロポリッシュ#2
4枚ストーンマスターポリッシャーに装着し、
研磨を始めました。
水を出しながら研磨を行い、素材表面がフラット
になったことを確認し、マイクロポリッシュ#3
NCAダイヤパッド#400NCAダイヤパッド
#800
NCAダイヤパッド#1500 の順番で研磨
しました。

粒度の細かい番手で研磨していけばツヤは上がり
ますが、周りとツヤの差が出ると違和感が出る
ので、#1500で止めました。

また、最後に研磨痕を目立たせなくするため、
ナノコンパウンド」を使用しました。

ナノコンパウンドはツヤを上げる仕上げ材で、
人工大理石や車のボディにも使用されています。
小傷を消しながらツヤを上げることが可能なの
で、半ツヤ(水磨き仕上げ)で研磨作業を終える
際に目立つ研磨痕を目立たせなくしながら
ツヤを上げてくれる優れものです。

ウールバフやウレタンバフに少量付けて、ポリ
ッシャーやハンドポリッシャーで回しながら
仕上げます。

今回は部分研磨だったので、研磨した部分と
周囲と比べて色の差が出ています。
中央の白い筋は、目地です。
周囲との色の差が出てしまうことをご了承の
上での施工でしたので、ご満足いただけました。


▼施工前

▼施工後





研 磨  2022/07/29(Fri) 16:13:18
管理用